論語(孔子)の素晴らしい言葉を
8月28日(日) 先負 実践・論議塾 安岡 定子著の中より。
「道に志し、徳に拠り、仁に依り、芸に遊ぶ」「みちにこころざし、とくにより、
じんにより、げいにあそぶ」
人は正しい道を求め続け、それによって得た徳という高い品格を拠り所とし、又
仁という人間愛を頼りとし、その上で豊かな教養の世界を気ままに楽しむ。と言う
意味だそうです。
水戸市の旧水戸藩の藩校・弘道館には「游於芸」と言う扁額が掛かっています。
これは水戸藩九代目藩主・徳川斉昭公によるものですが、論語の言葉から取られて
います。文武に凝り固まる事なく、悠々と身を収めると言う意味です。
斉昭公は藩政改革の重要施策の一つとして弘道館を開校させました。若者教育の
為です。財政の立て直し、つまり経済政策と合わせて教育改革にも積極的にとり組
ました。人材育成の大切さに気附いたからこそ弘道館を建てたのです。結局、最後
は人、ということです。「道に志し、徳に拠り、仁に依り、芸に遊ぶ」良い言葉です
ね。志・徳・仁。これらから離れることなく、しかも自由に動き回れる余裕を持て
たら、なんと素敵な事でしょう。尊敬され愛される人物は、優秀なだけではなく、
きっと「芸に遊ぶ」境地に達しているからなのでしょう。目指すべきは君子像で
す。芸は六芸と言う当時の六つの必修科の事を指します。書・数・礼・楽・御・射
の六つです。書は古典・数は数学・礼は礼節・楽は音楽・御は馬術・射は弓道で
す。これらを学ぶ時にも心に余裕をもって、それぞれの世界を逍遥できるくらいの
おおらかさがないといけないと言っています。