2025-08-03
鏡分金殿燭(かがみはきんでんのしょくをわかつ)
惑わされず、勘違いせず。
「鏡」は自分が映すものに惑わされない。
どんなに豪華な宮殿の中にいても、絢爛に輝く蝋燭(ろうそく)に囲まれていても、「鏡」は自分を勘違いすることなく、無心でその蝋燭を映し出します。
輝いているのは自分でなく、蝋燭であるということを知っているのです。そんな「鏡」のようであれ衰という言葉です。
人によっては対応を変える人は、はたから見ても嫌なものです。「鏡」の本文はありのまま映し出すこと。どんなに華麗でも、どんなに貧弱でも、「鏡」はただ無心で態度を変えず、映った相手を自分と見間違えることもありません。栄枯静衰する世の中を共に生きながら、惑うことなく現実を、本質だけを静かに映し出すのです。