努力が無ければどこにも安楽な場所はない
この項もまとめだけを期します。
今いるところが道場なのだと思って、耐えて修行する。そこに救いがあり、道があるのだ。家出してどこに行っても、今より安楽なところはないことを知ることだ。今いるところで修行するのだ。どこでなにしようと、すべて、今いるところが道場なのだと肚をすえてかかっていくことが何よりも大切なことだ。そうするうちに、今ここで努力していることに感謝する心が生まれてくる。今いるところが自分の人生の真ん中なのだとわかってくる。光が差し込んでくる。人生を自分の力で生きる覚悟が大切なのだ。
「如来神力品第二十一」は、釈尊や諸仏が神力を現し、真理は一つであることを強く印象づける章である。「法華経」の功徳と、娑婆世界もその神力によって、ほかの仏の国土と同じように光明に満ちあふれる不思議さが、くわしく語られる。娑婆世界に、南無釈迦牟尼仏という大合唱が起こって、一切を清浄にしていくのである。地から沸き起こった菩薩たちが、釈尊に対して、大歓喜の心で、「法華経」を未来永刧に守護し、布教していく事を誓うと、釈尊は、その眼前で、大神力を現した。その不可思議・神秘的な現象は、如来の慈悲と「法華経」の偉大さを表している。