「法華経」こそ衆生の心を清浄にする
今日から、法華7喩のうち「安楽行品」です。釈尊は、安らかな心で自ら楽(ねが)って進むために「四法」を説くのが、この章です。
第一に、いつも忍辱の心を持ち、柔和善順の態度で、あわてふためくことなく、一切平等で、慈悲の行いをしていくことです。自分の行いが立派なのだと思いあがることなく、地位や勢力のある人に、何かを求めようとして近づいたり、何でも反対する一言居士になれ親しんではなりません。
第二に、他人のあやまちや経典のあら捜しをしたり、他人の長所や短所を批判したり、好き嫌いの心を起こしてはなりません。
第三に、嫉妬の心を持ったり、他人に何かを期待しておべっかを使ったり、自分の心を嘆いてはなりません。
第四に、すべての人々を「法華経」に帰依させようという誓願を起こし、これを身命を捨てても実行していくことです。
四つの安楽行を説いた釈尊は、「法華経」がどんなにすぐれた教えであるかを、「髻中の明珠」(けちゅうのみょうしゅ)の喩話をもって説明する。
「安楽行品第十四」は、四つの安楽行を説き、「髻中の明珠の譬え」をもって「法華経」の教えが、どれほど大切な内容であるかを、言葉を尽くして明らかにしていくのです。