自己の本質を知れば何が真実かがわかってくる
人は地位だけが喜びでない。他人と比較するから不平も出る。地位や肩書なんかを無視して、エンジニアとしての自己開発、パイオニアとしての自己実現をめざしてはどうだろうか。自分の身についた宝は、技術開発力ではないか、取締役や常務などは、そうしたノウハウを持たない人々が、人間関係の複雑さの中でやっと手に入れた地位にすぎない。宝は自分の心の中にある。
人間の心かまえ
人は、目に見えるものを自分の宝だと信じてしまう傾向を持っている。「仏の智慧からすれば、目に見えるものなど、「小欲」の対象であるにすぎないのだ。「仏の無上慧を得て 而して乃ち此れ真の滅なり」なのである。あれも欲しいこれも欲しいと、一生懸命に自分のものにしようと努力して、それが手に入ってしまえば、あとは、特に利用するわけではない。自分の心の中に、無上の仏智が隠されているのに、それに気が付かずに、他人をののしり、他人を恨んで悪口を並べたてている。他人をねたむ心がある間は、とても「仏智」に近づくことはできない。
人間と生まれて、何が最も価値あるものがわかれば、その道にそって精進努力をしていけば十分なのです。ものにこだわり、地位にこだわり、金銭にこだわり続けた一生がどんなものか、まわりを見渡してみれば、どんなにみじめなものであるかがよくわかる。