しあわせを、他人と分かち合う願いと誓い
化状喩品の中の十二因縁は記憶されましたでしょうか?
今回は、お裾分けのお話です。常日頃私がは、楽しいことや、美味しいことは他人と分け合いましょうと。言っています。上記の言葉は、化城喩品で「普回向文」(ふえこうぶん)と言って、法の最後に唱える文章です。
「願わくばこの功徳をもって、普(あまねく)一切に及ばし、我等と衆生(しゅじょう)とともに、仏道を成(じょう)ぜんことを。これが法です。
私は毎日仏前でやっています。
という、漢字二十文字の短詞です。しあわせを自分一人占めする個人的解脱を目標とする小乗的心根を捨てて、あの人にもこの人にもと、しあわせを配って、ともに人間の踏むべき道-----仏道を完成したいと、法華経を説く人たちは誓いと願い(誓願)をおこします。この誓願はまた、法華経を読む現在の私たちの誓願でなければならないでしょう。
私は、世間でよく言われる、「おすそわけ」という日常語が好きです。
他から頂戴したものを自分だけで独占することなく、他にも分配することです。
「すそ」は、ものの端や末部分を持つことを「すそ」と言います。どのようにつまらなく、わずかなものと思われるものでもでも、他に分けるという心情が尊いのです。