古代インド人が考えた「永遠」の表現法
刧(こう)
「刧」とは日本語で会同すると「永遠」・「無限」の時間を「刧」という一つの単位として考えていたのが、古代インドの数の思想のように思えます。
何を基準にしたかは不明ですが、「一刧」を人間界の四十三億二千万年と算定しています。日本人なら「永遠・永久・無限」などと簡単に言い表します。しかし、古代インド人は、そうした抽象的表現では不満で、どこまでも数字で具体的に表さないと承知できないのです。
囲碁の世界も仏教思想にあるようです。「刧争い」といいます。碁盤の面のは、十九本の線が刻まれていますが、それによって十八の空間が存在します。そして、この十八は、人間存在の十八の構成要素(六根・六境・六蔵)の「十八界」あるいは「十八種の妄想(成仏を妨げる執念や執着)」を示すといいます。白・黒の碁石は、人間の善行・悪行が交互に行為される事実の象徴です。それらを総合すると「刧争い」の意味が一段とはっきりするでしょう。