観音の教え。むなしさからの出発。
人は、むなしさからの 、出発が大切です。
私たちにとって、現代は、どうにもこうにもむなしくてやりきれない時だ、と感じ
たらこの時から、まず「照見(しょうけん)」する(自分を見つめる)ことからス
タートします。
人間、生まれてきても、どうせ死ぬ。だから、人生なんてむなしいものだ。花は美
しい、しかし、やがて散る。だから花なんてちっとも美しくないし、むなしいもの
だ・・・・ここで終われば、単なるニヒリズムです。この厳然た る事実を踏まえ
このニヒリズムをもう一度空(くう)じて、逆転して、たった一人しかない自分、
たった一度しかない一生を生かし切ること、美しいものは美しいと知ること、それ
が本当の「空しさ」を知った悟りです。十一面観音、左手に軍持、右手に数珠持つ
この観音は多くの霊場で祭られています。軍持手は全ての欲望を満たすサイン、数
珠は煩悩を断つサインです。一見この矛盾する二つのサインを出して、観音さまが
言おうとされたことは何か、すべての欲望を満たすと同時に、そういう欲望のもと
となる煩悩を制し、整理する----------つまり“足ることをを知れ„ということが第一
です。 と説かれています。