観音経の教え−9
六観音・七観音。
*聖観音(しょうかんのん)
観音様の中でも一番正統な観音様。われわれと非常に近い姿をしている。
*千手観音(せんじゅかんのん)
無数の手を持っている。別に千の手を持っているわけではない。千という数字は
無量無辺際を表す。その手の先には目が付いている。それは、観ることの大切
さを示峻しているしている。
*十一面観音(じゅういちめんかんのん)
文字通り十一の顔をもち、様々な表情をした顔がある。これは欲望を満たすもよ
し、減ずるもよし、コントロールを上手にしなさい。と教えている。
*馬頭観音(ばとうかんのん)
観音様の中でただ一つ男性と思わせるタケダケしさがある。お不動様のような忿
怒の形相をしている。畜生道を受けて少々身分の低い観音様と言われるが、村や
町の角に立って交通の安全を守ってくれるとされている。非常に庶民的な観
音様です。
*如意輪観音(にょいりんかんのん)
貪・瞋・痴を絶って、人間としてわれわれが理想としするものを蓄えておられる
観音様。如意とは意のままに、輪とは終わりのない自由、自在を表す。
意のままに迷いを絶ち、自由と安らぎをもたらす観音様。
*不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)
羂は網、索は糸、煩悩の山に網をめぐらし、欲望の海から糸をもって釣り上げて
くれる。そして、網を引きよせ、糸をたぐり、観音様の心と同化させようとする
観音様です。
*准胝観音(じゅんていかんのん)
万物発生の理を表現する人間同化の観音様。准胝とは、梵語で清浄という意味
心を清浄にしてくれる観音様です。
その他数々の観音様がおられますが、大切なことは、観音様とめぐり合い、対話
することです。
楽しみもあるが、大方、苦しみの忍辱土である娑婆世界を、縦横無尽に遊ぶ。こ
れこそが観音の世界観であります。この自在神力で遊ぶ、遊び方を工夫して生活
に生かす、ここに観音への道があるのです。