禅の言葉「両忘」
「両忘」禅の言葉にありました。
「やる」とか「やらない」とかこだわらない。
人間はいつも迷いの中にいます。何か行動を起こそうとするときも、「やる
べきか、やらざるべきか」と迷う。現実的な迷いは、それをやったら「得か、
損か」ということかもしれません。
禅語の「両忘」は、善悪や迷語など、対立する概念を忘れ去った自由平等
な境地を意味する言葉です。善いとか悪いとか、勝手なレッテルを張らず
に、あるがままを受け取る、と言ったところでしょうか。
中国南北朝時代の僧・宝誌禅師の残した言葉です。「両忘すれば常に心
は静寂の境地となり、自然に真理と一体となることが出来る」
ああだ、こうだ、というはからいを忘れてしまえば、心はシーンと静まりか
えって、騒ぐところは一つもない。そんな心地の良い境地でいれば、おの
ずからの真理の中で生かされていることがわかる、といった意味でしょう。
自分の目の前にあるもの、たとえば、仕事でもそれ自体には得も損もない
のです。
思い切ってそれを忘れ、もっと楽に、自由に取り組んでみませんか。
と書いてありました。損得で生きていると静寂な心は生まれないでしょう
ね。