禅の教え。「却下照顧」
「却下照顧」 (きゃっかしょうこ)と言う言葉があります。足元をきちんと見なさい。と言う意味だそうです。足下とは拠り所となる自
分の心と言ってもいいですが、心が整っていなければ、拠り所とはなりま
せん。心を整える…それはまさに足下にあります。脱いだ履物があちこち
脱ぎ散らかす、履物が乱れていても気にならないという事は、それだけ心
が整っていないからです。
忙しいとつい脱ぎっぱなしになりがちですが、「忙」とは「心を亡くす」という
事です。心ここにあらずで、心が整っていないことが、履物に表れてくるの
です。いつでも履物を揃え整えて、ふっとひと呼吸置くくらいの余裕を持っ
ていれば、それだけ心が整ってくるから不思議です。普段からの行為が大
切なのですね。