苦を滅す八正道。  千 玄室。

新聞のコラム「一服どうぞ」に裏千家前家元千 玄室さんの話が載ってい

ましたのでご紹介します。

原文のまま。

仏教の教えに八正道がある。それは正見・正思・正語・正業・正命・正精

進・正念・正定で、これは釈尊の四苦八苦と共に人間の生き方を示された

ものである。「苦}を滅する方法として、この八つの正しい道を説かれた。

四苦とは生・老・病・死で人間は生まれてから死ぬまであらゆる苦を背負っ

ている。だからこそ少しでもその苦を自分なりに理解してそこから抜け出す

ために、八つの道のどれかでも実行することが大切だと言われる。

正見は何事も正しく見る、すなわち素直な心でものを見る努力。

正思は自己本位でなく、不平不満、邪心という我を捨てること。

正語は自分に都合の良い言葉を用いて人を陥れたり、悪口を言うことの

無いように。

正業は出来るだけ正しい行動や行いをする。そして正命は正しく生きるた

めに自分自身を叱咤し本道を歩む。

正精進は努力をする。物事を投げやりにしない。正念はたえず自分の心

が曲がってないか顧みる心を持つこと。

正定は信念をしっかり持って、あっちこっちへふらふらしない。こうした教え

は生活する上において大切な教えである。

こういうことはお互いに分かりながらも、浅はかな考えや我が先に立って

なかなか実践できないことである。

それとともに「気づく」、要するに「気が付くこと」が大切だ。それには気配り

や、いうなれば心がどれほど人のために生かされるかが問題となる。

昨年秋、私はウクライナのキエフを訪れ、首相や多くの老若男女に一のお

茶を差し上げて、日本の文化と伝統を紹介する機会を得た。その時にチェ

ルノブイリの原発事故で不幸にも被害に遭った被害者の会代表の4,5人

が会場に来られ、茶会終了後に担当者から紹介を受けた。いずれもご婦

人で歳をとっておられたが、そこで被害状況を写真や資料で説明を受た。

そして、「福島の震災で私たちと同じように故郷に住めなくなった方々にお

見舞いと激励を申し上げたい。そして今いただいた一のお茶のすがすがし

い緑の色が、どれほど私たちに生きる力を与えてくださったか。有難いこと

でした」とおっしゃった。

手を握り締め再会を約した。苦を背負い、苦を乗り越えて行こうという勇気

と、人間としての生きる在り方を示していただいたことは、まったく正定の

教えではなかろうか。

若き頃、大徳寺館長の後藤瑞厳老師のもとで修業したが、ある時「平常心

是道」と訓された。きわめて分かりやすいと即座に「わが道あり」などと申し

た。もちろんそれに対して「その道は如何に」とやり返された。即座に「茶の

道」と申すと老師はうなずかれた。特殊な目で見られる家元の座は、まっ

たく辛いものであり、修道を怠ることはできない。私にとって八正道は心の

支えとなっているが、どんな方にもこの教えを知っていただき、少しでもそ

の一つを自分の目標にされたらと思うのである。  (せん げんしつ)

素晴らしい話でした。みなさん如何でしたか?

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担当者:ライフアドバイザー
あかおぎ ひろし

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