2024-12-12
生きる喜びの発見「衣珠の喩」
前回では、「化城の喩」でした。今回の「衣珠の喩」は、すべての人を成仏せしめんとする「釈尊の願いと誓い」です。特にこの比喩は、法華経の重大思想の一つである「受記」を、弟子たちが完全に理解した事実が、歓喜と感激をもって語られているところに、深い意味があります。
「悉有仏性(しつゆうぶっしょう。一切のものは仏になれる可能性を持つ)との大前提に基づいて「あなたは、いまは確かに凡夫だが、もともとあなたには、仏性があるのだからよい縁によって、必ずいつの日にかは成仏(人間性の完成)できる」と言う保証です。よって、授記を、一切の人々の成仏を果たさんとする「釈尊の願いと、誓い」ではないでしょうか。