人間として生きている以上、自分の心の中の煩悩によって苦しまなければ
なりません。
煩悩=欲望が苦の原因なのです。煩悩を取り払えば苦から逃れる事は出
来るとわかっていても、人間は死ぬまでそれを取り払えることは出来ない
でしょう。
煩悩の中身についてお話します。
煩悩=貪、瞋・癡(とん・じん・ち)の三つです。これを三毒と言います。
貪=貪欲(どんよく)・・自分の好む対象に向かって貪り求める心です。
物に限らず、地位・名誉・富・性愛すべてに貪が作用します。人間の欲望
には際限がありません。何事も小欲で「足るを知る」という心掛けが必要で
す。
瞋=瞋恚(しんい)・・瞋(じん)とは、自分の心に逆らうものに対して怒り怨
むことです。怒り怨みを持てばその対象に敵意を抱くことになります。
癡=愚癡(ぐち)・・癡とは愚かさですが、仏教でいうおろかさとは、教養が
無いことではありません。差別する心、自己中心的な考えな人を癡愚(ち
ぐ)な人と見るのです。
簡単に説きますと、ねたむ・怒る・愚痴るこれが三毒です。誰もが何か一
つ毒を持っていませんか?
三毒を取り去ることは難しいことですが、何か一つでも取り去ることが出来
れば良いとしましょう。