いよいよ般若心経も最終を迎えます。
*《第九説》 あるがままに生きる素晴らしさ
三世諸仏 依般若波羅蜜多故 得阿耨多羅 三藐三菩提 故知般若波羅蜜多
さんぜしょぶつ えはんにゃはらみつたこ とくあのくたら さんみゃくさんぼだい こちはんやはらみつた
是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪 能除一切苦 真実不虚
ぜだいじんしゅ ぜだいみょうしゅ ぜむじょうしゅ ぜむとうとうしゅ のうじょいっさいく じんじつふこ
(現代語訳)
過去・現在・未来の仏たちは、智慧の完成を実践するので、この上ない最高の悟り
を得ることが出来るのである。したがって、智慧の完成という実践行こそが、偉大
なる真言であり、悟りのための真言であり、比べるべきもの無き真言であり、これ
こそがあらゆる苦しみを除き、真実にして虚妄ではないものだ、と言うことが出来
るのである。と訳しています。
*「三世諸仏」 三世諸仏の一人がお釈迦さま。
仏陀と呼ばれているのは釈迦だけではないのです。仏にも過去仏・現在仏・未来仏
と大きく三種類に分けられています。これが三世諸仏なのです。
過去仏(過去七仏)の中で第七番目を釈迦牟尼仏としている。
過去仏に対して未来仏は、弥勒菩薩(みろくぼさつ)は釈迦牟尼仏の次にこの地上
で仏になると説かれています。弥勒菩薩が次に地上に現れるのは、何とその時期が 釈迦入滅後五十六億七千万年経過してから、ということになっています。
現在、弥勒菩薩は兜率天において修行していると言われている。
その間を、無仏時代とよんでいます。その期間に生まれ死んでゆく無数の人々を救
済するために現れる菩薩が地蔵菩薩であると言われています。
このように、未来仏としての弥勒菩薩、無仏時代の救世主としての地蔵菩薩、とい
う二人の菩薩に対する信仰は現在に至るまで、多くの像が造られて拝まれ続けて
いるのです。
「兜率天」(とそつてん)
仏教では天界を、欲界、色界、無色界に分けている。兜率天とはそのうち欲界の一つ である。
釈尊もかつて兜率天において修行していた。
《如来》
釈迦如来 : シャカ。釈迦牟尼仏ともいう。
阿弥陀如来:無量寿如来、無量光如来ともいう。西方極楽浄土の主。
薬師如来 :正式には薬師瑠璃光如来という。東方瑠璃光世界の主。病苦の人々を救う。
毘盧舎那如来:盧舎那仏(びるしゃな)ともいう。大仏のこと。宇宙全体の華厳世界の主。
大日如来 :毘盧遮那如来が「大日経」において説法するとき、この名称を使う。