*「無罫礙故 無有恐怖」 平常心をもてば恐怖心はおこらない。
恐怖心は、自分が所有しているものを失うのではないか、と考えることからも起こ
ってくる。
一人で夜中に道をあるいていても、奪われる何物をも持たない者にとっては、何の恐怖も感じない。(しか
し、命を奪われるのは怖いですよね・私語です)
つまり、「無罫礙故 無有恐怖」なのです。
持てる者の悩みと言いますが、お金にしても物にしてもあればあるほどそれを失
うことに恐れや苦しみを感じるものです。人間の欲望には際限がないのです。
焚くほどに 風の持てくる 落ち葉かな
この良寛さんの読んだ句の心境のように、今日生きてゆく糧さえあれば満足する境地になることこそが本当の
幸せなのだ。と言っています。しかし、必要ないほどの 落葉をかき集めて、それでも足りない足りないとせっ
せと貯め込んでいるのが現実であります。貯め込んだらそれを失いたくないと、鍵をかけ大切にしまい込んで,
その上、もっと貯めようとあくせくしているのが人間の姿です。
物や財産に対する執着心を持っていなければ、たとえどれほど多くのものを失おうとも、何も苦痛を感じない
し、初めから何もなければ、失う心配はないことになり ます。
菩薩の状態に達した者は、あらゆる物に対して執着心が無いのですから、心に何もわだかまりもなく、常に平
常心を保っていることが出来るのです。
つまり「恐怖あること無し」なのです。 菩薩は凄いですね。