前回に引き続き「無」「空」の内訳を教えています。
「空」とは実体のないことです。
花はくれない 柳はみどり
という言葉がありますが、だから花は美しく、柳は新鮮に映る。はいいのですが、
仮に、くれないの花のほうが他の色の花よりはるかに美しい、柳の木は新鮮ですが、枯葉をつけている他の木々はきたない、という評価になると。人間の価値判断が 加わってくることになります。(ここが大切なのです)
悟りの状態に到達したものは、この世のあらゆる存在や現象に対して、そのような
判断はしない。
“すべての物をあるがままに見ることが出来るようになるのです。これはすべての
物に対する執着心とか所有欲といったものがなくなるので、あそこに木があり
ここに川があるという受け止め方をするだけなのです。
あるがままに見る。
眼からうろこがとれた境地には並大抵の努力では到達できませんが、だから、一歩
でも二歩でも現実の生活の中で近づく努力をしてみよう、と考えることが大切なわけ
です。
一人の人間を見るとき、男性か女性か、老人か若者か。美しいか醜いか、といった
ものを超えることが出来たら・・・・・。一度試してはいかがでしょうか。
あるがままに見る 簡単そうで難しいことですね。