意識して無意識に徹すること
人間には、感覚器官である六根と、それぞれの対象である六境と、それらを受け止める意志である六識がありますが、最も重要と思われるのが、「意識界」でしょう。
医学の分野で「脳死」が話題になっていますが、脳の機能が停止した時を脳死と言っているようですが、これも脳の、意識界に通じる所があります。もし「意識」が失われれば、たとえ肉体が生き続けたとしても、本当の意味で「生きている」とは言えないでしょう。
では、現に生きている自分たちは「意識」を正常に働かせているか、というと、そうではなく、意識があるから煩悩が生じて、偏った考え方に囚われることにもなっています。
要は、見る対象があり、それを見る眼があり、しかも眼識として残しながらも、まったく煩悩を生じさせないことが大切なのです。それは、「意識」の中にとらえつつも、「無意識」を貫くことが大切なのです。そうすることが悟りの世界に近づくことになるのです。
「意識して自らの意志で無意識の世界を完成することができたとき」今まで、自分が引きずり回されていた価値観は無価値になり、求めていたものが、実は欲望の対象でしかなかったことに気付くのです。何だか難しくなってきましたが引き続きご覧ください。