「般若心経を読んで」 -10-のつづき
「一切苦厄」 (いっさいくやく)とは
仏教の開祖、釈迦によると、この世(此岸)に住む私達人間の一生には、苦しみが満ちており、それらを分類すると四苦八苦になる。これらを総称したのが文中の「一切苦厄」であります。
この苦は人間の力ではどうすることも出来ない根源的な「苦」なのです。
*「四苦八苦」とは:八苦の前半は四苦のことですから、合計八苦あるだけで、十二苦あるわけではない。
「四苦」とは:生・老・病・死(しょう・ろう・びょう・し)誰もが老化し病気になり死んでゆくのは苦しい。
「生」苦とは:生まれたことの苦しみ。
「老」苦とは:年老いる苦しみ。
「病」苦とは:病気になる苦しみ。
「死」苦とは:死ぬことの苦しみ。
死んで行くのは苦しい。ではなぜ老・病・死があるのか?それは生まれたからである。つまり、“生”こそが、その後の苦しみの出発点ということになります。 (つづく)