二宮尊徳の思想と哲学・言葉。
尊徳は、「一家を廃して万家を興す」を自ら実践し、家屋敷、田畑をすべて売って桜町陣屋(栃木県芳賀町)に家族と共に移り住み、至誠を貫き、忍耐のうえに「勤労・分度・推譲」を生きる道として「一円融合」「万象特性」「報徳」の思想を富と幸福の哲学として人々に教え伝えたと言います。
尊徳の言葉には日本人の道徳力を高める知恵が溢れている。といいます。
尊徳を知るキーワード。
「報徳」:尊徳の思想全般を報徳という。すべてのものの徳性(価値や特性)を認め
生かす(報いる)こと。
「心田開発」:何事を成し遂げるにも、まず本人のやる気を起こさせることが第一で
あり、それによって一人ひとりが自立できる基盤を育成することができ
る。
「至誠」:至誠とは真心であり、これこそが尊徳の生き方や思想のすべてを貫いてい
る精神。
「推譲」:分度を守ることにより余財を生み出し、それを家族や子孫のために蓄えた
り(自譲)、広く社会のためや未来のために譲る(他譲)。そうすることにより
幸福な社会が実現できる。
「勤労」:人は自分に備わっている徳を最大限に発揮して働くことにより、生きる糧を
得て 生きていくことができる。又、そうして働くことにより生きる知恵を磨き、
自己を向上させることができる。
「積小為大」:小さな努力の積み重ねが、やがて大きな収穫や発展に結びつく。
小事を疎かにして、大事を為す事はできない。
「一円融合」:すべてのものは相互に働き合い、一体となってよい結果を生み出す。
「仕法」:尊徳が考え出した農村復興や財政立て直しのためのやり方。
現代社会にも通用する基本的な生き方を説いているのですね。