禅に学ぶ「無我」-8- 柳緑花紅 百歳の禅語より
すべてのものはお陰によって存在する。
「柳緑花紅」のもう一つの真理は「無我」です。これは我々が普通に
言っております無我と言うものではありません。
ここで言う「無我」とは「物が存在するのはそれだけでは存在できな
い、必ず他のかかわりがあって存在するんだ」ということ。
これを「無我」と言います。
「すべてのものは無常であり、そしてすべてのものは無我である」--
これが仏教の世界観です。世の中には永遠に変わらないものは何
一つない、また、それだけで他と無関係に存在するものは何もな
い、と言う事です。
裏返しで言うと、永遠に変らないもの、そして、それだけで他のとの
かかわり無しで存在できるものを「実体」と言います。この実態とは
永遠に変わらないもの、物それだけで存在することが出来る物を言
うわけですが、仏教の世界観では「そういう実体なるものはない」と
実体を否定するのです。