禅語・・「夢」
夢 夢ははかないものか? やすらぎの禅語より
仏教では、「いろはの歌」の「色は匂へど散りうるを」(美しく色か漂う花も、やがて散
ってしまう)に表されるように、世の中すべての現象は、実体のない仮の姿(仮相)で、
夢幻のようなものという諸行無常の思想があります。
その実体のない仮の姿、仮の世を、私たちは真実だと思い、永遠に続くと思って執着して
いますが、それははかない夢幻、泡影のようなもの諭しています。
一切有為法 如夢幻泡影 如露亦如電 応作如是観(いっさいのういのほう むげんほう
ようのごとし つゆのごとくまたかみなりのごとし またかくのごときかんをなすべし)
この世の一切の事象は、夢幻のようで、泡のようで、影のようだ。露のようで雷のようで
もある。迷いの多い生活から目覚めるためにも、この世のすべてを夢と知れ。
禅語としては沢庵禅師の辞世の「夢」が良く知られています。
沢庵は「夢」の字を大書きし、横に「是もまた夢、非もまた夢、弥勒もまた夢、観音もま
た夢、仏云く、正に是のごとき観を作べし」と書いたのち、亡くなられたと言われていま
す。つまり沢庵は、一切の事柄は夢であり、すべての執着から脱却した状態にあると言っ
たのです。
禅の言葉は難しいですが「なるほど」と思われることが多いですね。(-_-;)