観音経の教え-8
*三十三身説法
宇宙の全ての存在を三十三身で表し、その全てに身を現じて救済すりるという。
変幻自在の仏と言われる由縁です。
衆生、すなわち民衆とは千差万別。この千差万別の民衆を救済するには、千差万
別の姿に身を現じて法を説く手法もまた、千変万化しなければならないのです。
法を説くというのは、口だけで説法する事ではないのです。法を説く、道を説くに
は、自我を捨て、自己犠牲のもとに身一杯で取組んでいく。これが無畏であり施無
畏となるのです。
観音様とは、我々自身の正体であるから努力すれば何でも出来ます。ということで
す。これに気付かないでいるから、泣いたりわめいたり、怒ったりするのです。
世の中、諸行無常・諸法無我。変わらぬものなど何一つない。我々の生命の根源、
宇宙の真理も又、時々刻々と変化して行くのです。これに対応するためには、我々
自身の観音様も時々刻々、変化するのです。
宇宙の真理を内在しているのは我々人間だけではない。イヌ・ネコ・モグラ・でも
全ての生きとして生けるものは、宇宙の真理と当体です。三十三身とは、これら全
てのものを包括した宇宙全ての存在です。
これらすべての存在を象徴的に具現化したのが観音様です。だから百観音と言わ
れるくらい多種多様のポーズをとって、われわれの心の姿を現しているのです。
観音様を拝む人の心の多種多様の願いに応えるべく、無数の救いのシンボルとし
ているのです。