禅語 帰家穏座(きかおんざ)
*帰家穏坐(きかおんざ) 邪心の無い心に帰る
家に帰ってホットする。穏やかな気分になるという意味ですが、禅的に解釈すれ
ば悟りの世界を言ったものです。
無心、悟りの頂点。本来持っている純真無垢な精神性、清らかな真っ白な、とでも
いう赤ん坊のような邪心の無い心に帰るという事です。
諸者(住職)は言っています。最近特に間違っていると感じているのは、それは、
おじいさん、おばあさんの葬儀に孫を連れてこない親が居るという事です。理由を
聞きますと「塾があるから」「学校を一日休むと、もうついてゆけなくなる」いう
のです。今や家で家族が看取るという事がほとんどなくなっている環境で、老・
病・死というものを現実から遠ざけています。
せめて亡くなった葬儀にだけは、人の親として見せてあげて欲しいのです。
人間教育は、学校の勉強だけでは出来ないのです。人生をちゃんと歩めなければ人
間ではないのです。諸々の取り返しのつかない事件がそのことを物語っています。
悟りの世界は分からなくても、家に帰ってリラックスするという事は理解できると
思います。しかし、そういう環境が無くなってしまった時、子供が親を殺したり、
親が子供を殺したりという事が起きて来るのだと思います。